- 若い書き手はKindleでの量産・拡散スピードにおいて構造的に有利
- 50代は同じペースでの量産・フォロワー増加が難しい
- 70代まで無理なく続けられる「じっくり型」の仕組みを選ぶべき理由
X(旧Twitter)を見ていて感じるのは、若い書き手ほどKindleでの量産スピードが速いということです。体力と順応性を武器に走り続けられる20〜30代と、50代からの発信スタイルは、そもそも同じ土俵で戦うべきものではありません。年代に合った発信の選び方についてお伝えします。
この記事は、[Kindleは走り続けるマラソン、Udemy・noteは育てる資産——50代からの発信で私が選んだ道]でお伝えした考え方の背景にある、年代論を掘り下げたものです。実体験については[Kindle15冊、そこで気づいたこと——印税より価値があったもの(制作中)]もあわせてご覧ください。
Xを覗いていて感じること
最近、少しずつX(旧Twitter)での発信を続けています。毎日タイムラインを覗いていて感じるのは、やはり「若手はKindleが好きなんだな」ということです。
新しいことに敏感で、スピーディーに実行できる。本も量産できる。フォロワーも増やしやすい。順応性と体力を両方持ち合わせているからこそ、量産が得意なのだと思います。
次々に本を出しては、Kindleだけでなく、他の情報商材プラットフォームでも商品を出している。そのスピード感も驚くほど速いです。これは、その分野に詳しい若い世代だからこそできる技だと感じます。
具体的な投稿の傾向を見ていると、熱心な方はほぼ毎日、少なくとも週に3回以上のペースで告知を出しています。Kindleでの実績をもとに「印税を増やす方法」そのものを商品化し、情報販売プラットフォームで複数の商品を並行して出している方も少なくありません。
その売り方も巧みで、最初は2,000円前後で販売を始め、Xでシェアしてくれた方や、レビューを書いてくれた方には半額にする、という仕組みを取り入れているケースをよく見かけます。売れるほどに価格を上げていく設計もあり、この方法なら、フォロー・シェアがすぐに広がる若い世代の行動特性と噛み合って、拡散力もどんどん上がっていきます。

50代からは、同じ土俵では戦えない
でも、50代からはこれが難しくなります。
AIを使ったとしても、若い世代と同じペースで量産することはできませんし、フォロワーも同じようには増えにくいかもしれません。
50代が発信する情報は、50代の読者に反応してもらいやすい一方で、若い人のような軽やかなノリはなく、慎重に受け止める方も多いように感じます。これは決して悪いことではなく、世代ごとの自然な違いです。
そして何より、「70代になっても無理なくできるか」を考えたとき、Kindle出版という量産型の仕組みだけに集中するのは、賢明な選択とは言えないと思うのです。
実際に私自身、Xを始めてみて実感していることがあります。もともと50代の発信であることを打ち出しているためか、若い世代からの反応はやはり少なめです。年代が近い人同士がつながる傾向があるのは、当然のことなのかもしれません。年代が上がるほど参入している方の絶対数も少ないので、フォローできる50代・フォローしてくれる50代そのものが少なく、しかも中高年は総じて慎重で、簡単には反応してくれません。
「最初の200人までが苦しい」とはよく聞いていましたが、実際にやってみると、想像していた以上に大変でした。それでも、発信は続けてこそ意味があります。フォロワー数は少なくても、確かに誰かには届いているのだから、数字を気にしすぎず、淡々とマイペースで取り組んでいく必要があると感じています。
反応をいただけるのは、こちらが思いがけないタイミングだったりします。以前、50代の会社員の方がフォローしてくださったことがありました。話を伺うと、なんと50冊ものKindle本を出版されているとのこと。同じ年代の方の頑張りには、自然と応援したくなる気持ちが湧いてくるものだと感じました。
だからこそ、じっくり型の仕組みを選ぶ
だからこそ、できることなら、スピード量産を避けた方法で発信していく方がいいと思っています。
noteやUdemy講座、自分のブログの有料記事を制作して収益化する。こうした仕組みは、走り続けなくても育っていく資産です。自分の時間を大切にしながら、じっくりと情報発信を積み重ねていける。
Udemy講座は、実際に出してみないと分からないことばかりです。話がわかりやすくまとめられているか、初心者目線で作られているか。制作している最中は、売れるかどうかよりも、そうした「伝わりやすさ」や、音声に問題がないかといった細部に自然と意識が向いていきます。公開してから、少しずつ受講の反応が出てくる。それがとても嬉しくて、「次の講座もじっくり作ろう」と思えるようになりました。一度出しておけば、プラットフォーム側の集客の力を借りて、それなりに自動で届いていく。そのことが分かってから、次の作品を作る意欲にもつながっています。
じっくり型に切り替えたことで、収益の実感も変わりました。Udemyのプラットフォームで販売した場合、収益として自分の手元に残るのはおおよそ37%です。一方、Kindle Unlimitedでは、読まれたページ数に応じて1ページあたり約0.5円。比べてみると、Udemyの方が割と大きく感じます。何より、同じジャンルの講座が並ぶ中から選んで購入していただけるので、「頑張って作ってよかった」と感じられる瞬間が多いです。

そして、生活面での変化も大きなものでした。時間と心にゆとりが生まれ、以前は難しかった太極拳の教室に週2回通えるようになりました。心身ともに健やかになり、以前はどちらかというと家にこもりがちな性格でしたが、今では太極拳の仲間との交流を楽しめる時間も持てるようになっています。
そしてKindle本は、権威性のため、自分の事業をアピールするため、そして拡散のきっかけとして使う。そんな位置づけが、50代以降には向いていると感じています。
若い人と同じ土俵で戦わなくていい
若い書き手たちが量産型のスタイルで走り続けているのを見ると、時々「自分も追いつかなければ」という焦りが顔を出すことがあります。
でも、それは本来比べるべきものではないのだと思います。彼らには彼らの武器があり、私たちには私たちの武器がある。無理に同じ土俵に立とうとする必要はありません。
70代になっても、変わらず続けられる仕組みを、今のうちから育てておくこと。それが、50代からの発信において、一番大切な選択なのではないでしょうか。
会社員やパート勤務として外で働いていると、往復の通勤ラッシュに紛れるだけで、それなりに体力を消耗します。70代になれば、以前のようにノルマをこなすことがしんどくなる日も来るかもしれません。
でも、今のような自分のペースで進められる働き方なら、話は変わってきます。朝は早めに起きて(時々、うっかり二度寝することもありますが)、ペットの世話をしたら、ロボット掃除機をセットし、洗濯機を回しながら、自宅か近所の喫茶店でモーニングをとる。軽くウォーキングをしてから、パソコンに向かい、Udemy講座の構成やトークをまとめたり、いろいろ調べものをしたり、Xのリプライを考えたり、新しいブログ記事を書いたり。昼休憩のあとは、また軽く体を動かして、植物に水をやり、買い物に出かけて、再びパソコン作業。時には喫茶店にパソコンを持ち込んで作業することもあります。太極拳の日は、その時間だけ2時間ほど抜けて教室へ向かう。そんなふうに、新しい交流も少しずつ生まれてきています。
これが、私が思い描く「70代になっても無理なく続けられる」働き方の実像です。



