AIを使いこなす時代だからこそ大切にしていること ― Canva講座づくりで学んだ「伝わる教材」の作り方

Canva動画-伝わる教材の作り方Canva

AIをどこまで使うか、という問い

先日の記事で、韓国旅行で目にした「AIを操るエンジニア」と「手作業で香り付けされる中国茶」の対比についてお話ししました。<①:便利になっても消えないもの ― 韓国旅行で気づいた「AIにできないこと」 –>

あれから、ふと自分自身に問い直してみました。「では私は、自分のコンテンツ制作の中で、AIとどう向き合っているだろうか」と。今日は、その具体的な話をしたいと思います。

AI画像で感じた「誰にでも作れる感」という壁

私自身、AIで静止画を作ってみたことが何度もあります。プロンプトを丁寧に作り込めば、意図に近いイメージを生成してくれるので、便利なツールであることは間違いありません。特に、時間のないときや、方向性を素早く確認したいときには、AI画像は本当にありがたい存在です。場合によっては、こうしたAI画像を積極的に活用する方がいいとも思っています。

けれど、実際に出来上がった画像を見返してみると、正直なところ「誰が作ってもこうなるだろうな」という印象の仕上がりが多かったのです。構図もタッチも、どこかで見たことのあるような、整ってはいるけれど個性の薄い仕上がり。AIで作ったことが一目で見抜けてしまうような、どこか人間味の足りない出来栄えでした。

下の画像のように、AIだけに任せて作ると、どうしても同じようなパターンに寄っていってしまいます。最近ではこうした量産型の仕上がりを「AIスロップ」と呼ぶこともあるそうですが、私が感じていた「もやもや」は、まさにこれだったのだと思います。結局、そうした画像はほとんど採用しませんでした。「便利だけれど、これを自分の作品として世に出すには何かが足りない」という感覚が、ずっと残っていたのです。

転機になった、Kindle4冊目の絵本づくり

そんな中、考え方が大きく変わる出来事がありました。Kindleの4冊目として、絵本を出版したときのことです。

このときはミッドジャーニーを使って作画を何度も繰り返し、そこからさらに画像処理ソフトの編集画面で、ほとんど手作業と言っていいくらい丁寧に画像へ手を加えていきました。色合いを調整し、線を整え、細部を何度も描き直す。一枚の絵ができるまでに、何時間もかけることもありました。そうして完成した絵本を見たとき、「これはAIを使っているとはいえ、芸術的な出来栄えだ」と、自分でも驚くほど満足のいく仕上がりになったのです。

それもそのはずだと思います。ミッドジャーニーを使ったとはいえ、その後の処理に相当な手間暇をかけていたからです。絵本というジャンルは枚数も少なく、正直なところ印税もほとんど見込めません。ビジネスとして考えれば、決して効率のいい選択ではなかったと思います。それでも、自分とAIとの共同作業ながら、見る人を惹きつける一冊になったという実感がありました。絵本業界自体は競争も激しく、なかなか多くの人の目に留まるものではありませんが、実際に読んでくださった方からは、うれしいレビューをいただいています。数字には表れにくくても、確かな手応えを感じられた作品でした。

AIは活用する、でも手間を惜しまない部分を残す

この経験から得た結論はシンプルです。AIを使うこと自体は、まったく否定するものではありません。むしろ、プロンプトを正確に作り込んで活用すれば、大きな助けになってくれます。時間がない中で複数のコンテンツを作り続けなければならない立場としては、AIの力を借りずに全てを一からやり切るのは、現実的ではないとも思っています。

大切なのは、「どこにAIを使い、どこに自分の手間をかけるか」という線引きだと思うのです。先日の韓国旅行で見た、何十回も手作業で香り付けを重ねるジャスミン茶と同じで、AIというスタート地点があったとしても、そこから先にどれだけ自分の手をかけられるかで、出来上がるものの深みはまったく変わってくる。そのことを、4冊目の絵本づくりで身をもって実感しました。

Canva講座づくりへの実践①:自分の声で収録するこだわり

この気づきは、今制作を進めているCanva講座(3作目)にもそのまま活きています。<!– 内部リンク②:サロンオーナー向けAI×Canva講座の紹介記事があれば、ここへリンク –>

動画の音声収録は、AIナレーションではなく、あえて自分の声にこだわっています。効率だけを考えれば、AI音声を使う方が手間はかかりませんし、聞き取りやすさという点でも遜色のないクオリティが出せる時代です。それでも自分の声で伝えることにこだわっているのは、受講生の方に少しでも「人となり」が伝わってほしいと思っているからです。声のトーンや間の取り方、ちょっとした言い回しの癖まで含めて、その人らしさが伝わる部分だと感じています。特に、これから何かを学ぼうとしている受講生にとって、「この人から教わりたい」と思ってもらえるかどうかは、内容以上に大きな決め手になることもあると思うのです。

Canva講座づくりへの実践②:装飾より伝わりやすさを

もうひとつこだわっているのが、テンプレートの装飾です。今回の講座では、装飾はできるだけ少なくシンプルにまとめ、見る人の集中力が途切れにくい仕様を意識しています。凝ったアニメーションや派手な演出は、一見すると華やかで良さそうに見えますが、教材として大切な「内容に集中してもらう」という目的からは、むしろ遠ざかってしまうこともあります。1回のレクチャーも5分前後に収め、多忙な受講生の方でもすきま時間で受講しやすい構成にしました。

実は1作目のUdemy講座では、見る人が飽きないようにと、テンプレートの装飾にかなり時間をかけていました。もちろんそれも一つの工夫ではあるのですが、教材として大切なのは、装飾の華やかさよりも「できるだけ伝わりやすく、自分の言葉で伝えること」だと、2作目からは強く意識するようになりました。この考え方の転換も、AI画像で感じた「誰にでも作れる感」への違和感と、根っこの部分ではつながっているように思います。

制作環境の話:Canvaひとつに絞ってからの変化

地味な話ですが、制作環境の見直しも大きな変化でした。1作目をCanvaとClipchampを併用して収録していたときは、PCスペックに見合わない負荷がかかり、収録後のダウンロード中にデータが消えてしまうといったトラブルが度々ありました。せっかく丁寧に収録し直しても、その努力が水の泡になってしまう。もともとのWi-Fi環境やPCスペックが原因だったのですが、今はCanvaだけで収録するようにしたことで、PCへの負荷も少なく、驚くほど快適に作業が進むようになりました。どれだけ「自分の声で」「シンプルに」と心がけていても、環境が整っていなければ、その想いを形にすること自体が難しくなってしまいます。環境を整えることの大切さも、身をもって学んだ部分です。

まとめ

AIも、手仕事も、どちらか一方を選ぶものではないのだと思います。プロンプトを工夫してAIをうまく活用しながらも、自分にしか出せない部分には、惜しまず手間をかける。テンプレートの華やかさよりも伝わりやすさを、AI音声よりも自分の声を選ぶ。そうした一つひとつの選択の積み重ねが、結果として「この人から学びたい」と思ってもらえる教材につながっていくのだと感じています。

個性を活かしながら、わかりやすさとシンプルさにもこだわっていくこと。これが、今の私がコンテンツ制作において大切にしていることです。

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