・DRM=本のコピーを防ぐ仕組み
・2026年1月20日から、DRMなしの本は、読者がEPUB・PDFでダウンロードできるように
・正解は1つではない。本の目的で選ぶ
Kindle本を出版するとき、KDP(Amazonの電子書籍の出版サービス)の画面には、たくさんの設定項目が並びます。
その中で、意味がよくわからないまま選びがちなのが「DRM」です。
実は私も、最初の2冊くらいは、DRMの存在自体を知りませんでした。
設定項目が多いので、気づかないまま通り過ぎていたのかもしれません。
このDRMについて、2026年1月から大きな変更がありました。
この記事では、DRMの意味と変更点、そして自分の本に合った選び方を整理します。
Kindle出版の全体の流れを知りたい方は、先にこちらもどうぞ。
https://contents-autodesign.online/kindle-start-guide
DRMとは?ひと言でいうと「コピー防止」
DRMは「デジタル著作権管理」の略です。
ひと言でいうと、電子書籍を勝手にコピーしたり配ったりできないようにする仕組みです。
DRMありとなしの違い
DRMありの本は、Kindleのアプリや端末の中で読みます。
ファイルを取り出してコピーしたり、ほかの人に渡したりはできません。
DRMなしの本は、読者がファイルそのものをダウンロードできます。
読者にとっては、次のような良さがあります。
・Kindle以外のアプリや端末でも読める
・自分のパソコンやクラウドに保存して、手元に残せる
一方、書き手にとっては、ファイルが手元を離れやすくなります。
コピーや共有が、DRMありの本よりもしやすくなるということです。
EPUB・PDFとは(電子書籍・文書のファイル形式)
DRMなしの本は、EPUBかPDFの形でダウンロードできるようになりました。
この2つは、読み心地がかなり違います。
EPUBは、文字が画面に合わせて流れるように動く形式です(リフロー型といいます)。
文字を大きくしても、行が自動で折り返されるので、読む人の目の負担が少なくて済みます。
縦書きの本にも向いていて、読者想いの形式だと私は感じています。
PDFは、ページのレイアウトが固定された形式です。
レシピ本やフォトブックのように、写真や図の位置が大切な本に向いています。
ただ、拡大はできても、読みたいところまで画面を動かす手間がひとつ増えます。
紙の本をそのまま画面で見ているような感覚です。
EPUBとPDFの違いは、こちらの記事でくわしくまとめています。

2026年1月から何が変わった?
DRMなしの本は、EPUB・PDFで入手できるように
2026年1月20日から、DRMなしで出版された本は、購入した読者がEPUBやPDFでダウンロードできるようになりました。
日本のKDPの画面(Kindle本設定画面)でも、DRMの項目にこの選択肢が表示されています。

KDPのデジタル著作権管理(DRM)の設定画面
「いいえ」を選ぶと、「この本を購入した読者がPDFまたはEPUBファイルとしてダウンロードできるようにします」となります。
すでに出している本は、自動では変わらない
すでに出版している本の設定は、自動では変わりません。
DRMなしにしたい場合は、自分で設定を変更する必要があります。
設定を変えると、すでに買った人もダウンロードできる
ここは大切なポイントです。
すでに出版している本をDRMなしに変えると、これまでにその本を買った読者もダウンロードできるようになります。
変更するときは、そのことを確認するチェック欄に印をつける必要があります。
一度ダウンロードされたファイルは取り戻せないので、慎重に決めましょう。
DRMあり・なし、どう選ぶ?
正解は1つではありません。
本の目的によって、向いている設定が変わります。
DRMなしが向いている本
たとえば、試験の問題集のような本です。
「問題をダウンロードして、印刷したり書き込んだりして使ってほしい」という目的があるなら、DRMなしにする意味があります。
名刺代わりに広く読んでほしい本や、資料として手元に置いて使ってほしい本も、DRMなしを検討してよいと思います。
DRMありが向いている本
一方、販売を大切にしたい本や、作品性の高い本はDRMありが安心です。
私自身は、自分の本がダウンロードされることには、正直なところ抵抗があります。
そのため、DRMの存在を知ってからは、きちんと設定するようにしてきました。
たとえばテレアポの本も絵本も、私はDRMありにしています。
テレアポの本は、誰かの役に立つかもしれません。
それでも、必要なところはスクリーンショットで残してもらえば十分だと考えています。
ファイルごと渡ることで、内容を少しアレンジした似た本を出されてしまうのは避けたいのです。
絵本は、絵にも文章にも著作権があります。
だからこそ、まねされないように守りたいと考えています。

設定を変えるときの手順と注意
KDPの本の詳細から変更する
DRMの設定は、KDPの本棚から、該当する本の「電子書籍のコンテンツ」のページで確認できます。
原稿や表紙をアップロードするページです。
出版前に確認したい項目は、チェックリストにまとめています。
反映まで最大72時間ほどかかる
設定を変更してから、Amazonのストアに反映されるまで、最大72時間ほどかかる場合があります。
変更してすぐに表示が変わらなくても、慌てなくて大丈夫です。
※この記事の内容は、執筆時点(2026年10月)の情報です。
まとめ
・DRMは、電子書籍のコピーを防ぐ仕組み
・2026年1月20日から、DRMなしの本は、読者がEPUB・PDFでダウンロードできるようになった
・すでに出版した本も設定を変えられるが、過去の購入者もダウンロードできるようになる
・正解は1つではなく、本の目的で選ぶ
出版のときに「なんとなく」選んだ設定はありませんか?
この機会に、ご自分の本のDRMを一度見直してみてください。
Kindle出版の講座は、こちらの一覧ページにまとめています。
必要な方は、どうぞのぞいてみてください。



