・KDPとその他のサービス、何がどう違うの?
・失敗しないために、出版前に知っておくべきことは?
プラットフォーム選びに正解はありません。でも、選び方には根拠があります。
私は2022年から現在まで、KDP一本で15冊を出版してきました。14冊がAmazon新着1位を獲得しています。順調に見えるこの実績の裏には、規約の変化に気づかずレビューが止まった時期もありました。この記事では、そのリアルな経験をもとにプラットフォームの選び方と、知っておくべき注意点をお伝えします。
はじめに:なぜプラットフォーム選びが最初の分岐点になるのか
電子書籍を出版しようと決めた瞬間、最初に突き当たるのが「どのプラットフォームで出すか」という問いです。
KDP(Amazon)、楽天Kobo、Google Play ブックス、クロスフォリオ出版(旧ブリック出版)など、個人出版に対応したサービスはいくつもあります。どれを選ぶかによって、読まれる読者層も、売れ方も、そして規約のリスクも変わってきます。
私自身は2022年から現在まで、KDP一本で15冊を出版してきました。14冊がAmazon新着1位を獲得しています。この記事では、私がなぜKDPを選び続けたのか、そして途中でどんな失敗があったのかを含め、プラットフォーム選びのリアルをお伝えします。

私がKDP一択だった理由
最初の1冊を出版するとき、プラットフォームをそれほど悩みませんでした。理由はシンプルで、Amazonという巨大マーケットと、出版時のキャンペーンを使って新着1位を狙いたかったからです。
KDPには「KDPセレクト」という制度があり、Kindle Unlimited(KU)に登録すると90日間の独占期間が設けられます。この期間中、本はAmazon内のみでの販売になりますが、その代わりKU読者のページ読み取りに応じた収益が発生し、キャンペーン機能も使えます。
新着1位という実績は、次の本を出すときの信頼にもなりますし、ブログやSNSでの発信にも使えます。私にとってKDPは「出版デビューの場」として最適な選択でした。
KDP一本で続けてきた理由
15冊出版した今も、他のプラットフォームに移行していません。その理由は2つあります。
ひとつは、15冊はまだ十分な冊数ではないと感じているから。
同じプラットフォームに本を積み重ねていくと、著者としての存在感が出てきます。KDPの著者ページに本が並び、読者が「この人の他の本も読んでみよう」と動く。その流れが生まれるには、まだ冊数を増やす段階だと考えています。
もうひとつは、ある程度同じ場所で量産することで、状況が優位になることがあるから。
Amazonのアルゴリズムは、著者の出版履歴や読者との接点の積み重ねを評価します。分散させるより、一点集中で信頼を積む方が、今の私の段階には合っていると判断しています。
KDPで経験した「レビュー制限」という失敗
ただし、KDPが安泰かというと、そうでもありません。私自身が経験した失敗をお話しします。
2022年ごろは、電子書籍の内部にメールマガジンの登録フォームやLINEのリンクを貼ることができていました。それが、いつの間にか禁止事項になっていました。KDPからの通知はありませんでした。
私は2025年に新刊を出したとき、当然のようにメルマガリンクを本の内部に貼り付けていました。新着1位は取れました。しかし、いつもなら最初のころ数件つくレビューがゼロのまま止まっていたのです。
これが「レビュー制限」です。外部リンクを埋め込んだことがKDPの規約違反と判定され、レビューが表示されない状態になっていました。しかも、その状態が数冊にわたって続いていたため、その時期の本は今も影響が残っている可能性があります。
KDPに直接メールで状況を説明し、改善を報告して制限解除を依頼したところ、返答は「すでに解除されています」の一言でした。あっさりした対応でしたが、制限がかかっていた期間のレビューは戻りません。
この経験から学んだことは、出版するたびに規約を確認することです。特に近年はAIコンテンツへの警戒が強まっており、外部リンクに限らず、コンテンツの質に関する基準も厳しくなっていると感じます。
他のプラットフォームも知っておく価値がある
今の私はKDP一本ですが、「KDPで出版が難しくなったとき」に備えて、他のプラットフォームの情報を把握しておくことは有益だと思っています。
実際、KDPセレクトの90日縛りが解けたタイミングで他に展開することを考えたことはあります。ブリック出版(現・クロスフォリオ出版)に問い合わせをしたこともあります。
ここからは、個人出版に対応している主なプラットフォームの特徴を整理します。
個人出版に対応している主なプラットフォーム比較
Kindle Direct Publishing(KDP)
対象プラットフォーム:Amazon Kindle
出版のしやすさ:WordファイルやPDFをアップロードするだけで自動変換。審査は通常24〜48時間。無料で登録可能。
ロイヤリティ:70%(KDPセレクト加入・価格条件あり)または35%
メリット:世界最大規模のユーザー数。Amazonのアルゴリズムによる露出。新着ランキングを活用したプロモーションが可能。(0円キャンペーンなど)
デメリット:KDPセレクト加入中は90日間Amazon独占。競合が多く、マーケティングは自力で行う必要がある。規約変更の通知が不十分な場合がある(経験談)。
こんな人に向いている:はじめての出版、ビジネス書・実用書、幅広い読者層に届けたい方。

楽天Kobo Writing Life
対象プラットフォーム:楽天Kobo
出版のしやすさ:無料登録後、EPUBファイルをアップロードするだけ。審査期間は比較的短い。
ロイヤリティ:45%または70%(価格帯と設定により異なる)
メリット:楽天ポイントを使う読者層にリーチしやすい。楽天経済圏のユーザーを取り込みやすい。
デメリット:KDPと比べてユーザー数はやや少ない。フォーマットのガイドラインが比較的厳格。
こんな人に向いている:楽天ショッピングを日常的に使う読者層を狙いたい方。KDPと並行展開したい方(独占縛りがないため)。
KDPと楽天Koboをより詳しく比較したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
→「初心者のための電子書籍出版」Kindleと楽天Koboで比較!


Google Play ブックス
対象プラットフォーム:Google Play
出版のしやすさ:Googleパートナーセンターに登録してEPUBまたはPDFをアップロード。
メリット:Androidユーザーへのリーチ。初期費用ゼロ。Googleアカウントとシームレスに連携。
デメリット:電子書籍を目的としたユーザーはKDPより少ない。ファイル設定の精度が求められる。
こんな人に向いている:Androidユーザー・ITリテラシーの高い読者層を狙いたい方。
Google Play ブックスとKDPを具体的な数字で比べたい方は、こちらをどうぞ。
→「電子書籍出版」KindleとGoogle Playブックスで比較!


クロスフォリオ出版(旧ブリック出版)
2024年9月より、ブリック出版はクロスフォリオに統合されました。
対象プラットフォーム:BookLive!ほか複数
出版のしやすさ:作品登録・契約確認・原稿納品・データ監修などを一元管理。個人でも手軽に出版できる設計。
ロイヤリティ:最大80%と高水準。
メリット:サポート体制が整っており、複数の配信先に一括展開できる。収益性が高い。
デメリット:競合が多く、差別化とプロモーションが必要。主な対象ジャンルはマンガ・コミック中心。
こんな人に向いている:事務作業を効率化したい方。複数プラットフォームへの同時展開を考えている方。
ブリック出版(現・クロスフォリオ)とKDPの違いをさらに詳しく知りたい方はこちら。
→「初心者のための電子書籍出版」Kindleとブリック出版で比較!


まとめ:まずはKDP、将来の分散化も視野に
電子書籍出版をこれから始める方には、まずKDPで出版実績をつくることをおすすめします。ユーザー数・マーケットの規模・出版のしやすさ、どれをとっても現時点ではKDPが最も入りやすい環境です。
ただし、私の経験からわかるように、KDPの規約は変わります。今後どのような変化があるかはわかりません。そのときに備えて、他のプラットフォームの特徴を頭の片隅に入れておくことは無駄ではありません。
KDP90日縛りが解けたタイミングで楽天KoboやGoogle Play ブックスに展開する、ある程度冊数が増えたらクロスフォリオで一括配信を試みる——そういった分散化を、将来の選択肢として持っておくことが、長く出版を続けるための安心材料になります。
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