・Kindle(KDP)出版の特徴は?
・KDPセレクトとは?
電子書籍の個人出版を調べていると、Kindleのほかにもさまざまなサービスがあることに気づきます。なかでも「ブリック出版」という名前を見かけた方もいるかもしれませんが、このサービスは2024年9月に「クロスフォリオ出版」へと統合・改称されました。古い情報のまま比較している記事も多いため、本記事では最新の状況をもとにKindleとクロスフォリオ出版を徹底比較します。
コスト・ロイヤリティ・出版手順・配信スピードといった実務的な違いはもちろん、15冊出版・14冊新着1位を達成した著者自身の体験をもとに、それぞれのプラットフォームが向いている人・向いていない人を具体的にお伝えします。「どちらで出版すればいいか迷っている」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも「クロスフォリオ出版」って何?旧ブリック出版との違い
電子書籍の個人出版を調べていて「ブリック出版」という名前を見かけたことがある方もいるかもしれません。しかし現在、ブリック出版はすでに存在しません。
2024年9月1日より、ブリック出版はクリエイター向け総合プラットフォーム「Xfolio(クロスフォリオ)」に統合され、「クロスフォリオ出版」 として新たにサービスを提供しています。
運営元は株式会社BookLive。TOPPANホールディングス株式会社のグループ会社で、本社は東京都港区にあります。

私が芝浦に住んでいたころ、最寄り駅への通り道にTOPPANの建物がありました。TOPPANグループという名前には、個人的にどこか身近な印象を持っています。
Xfolio(クロスフォリオ)とは?
Xfolioは、イラストや漫画などを手がけるクリエイターのための総合プラットフォームです。主な機能は次の3つです。
- ポートフォリオ公開:自分の作品をまとめてWebで発信できる
- 二次創作・同人誌の販売・配信:クリエイターコミュニティとの親和性が高い
- 電子書籍の配信(クロスフォリオ出版):旧ブリック出版の機能を引き継いだ配信取次サービス
このうち「電子書籍の配信」部分が、今回Kindleと比較するクロスフォリオ出版にあたります。
旧ブリック出版から引き継いだこと、変わったこと
クロスフォリオ出版は、旧ブリック出版の仕組みをベースにしながら、発信基盤として大きく進化しています。
引き継いだ点
- 電子書籍の制作・配信を代行する取次システム
- 国内130書店以上への一括配信
- 原稿を提供するだけで出版できる代行サービスの仕組み
変わった点
- サービス名・登録窓口がXfolioに統合
- ポートフォリオ公開・コミュニティ機能など、クリエイターとしての総合的な発信基盤が加わった
- 単なる「配信取次」から、作品を世に出すための一体型プラットフォームへと進化
ジャンルはコミックだけじゃない
Xfolio・クロスフォリオ出版のサイトを見ると、イラストや漫画のイメージが前面に出ているため、「ビジネス書は扱っていないのでは?」と思う方もいるかもしれません。私も最初はそう感じました。
そこで実際にメールで問い合わせたところ、ビジネス書を含む幅広いジャンルに対応しているとの回答をいただきました。サイトの見た目だけで判断せず、気になる方は直接問い合わせてみることをおすすめします。
Kindleとクロスフォリオ出版を5項目で比較
まず、両サービスの違いを一覧表で確認しましょう。

それぞれの項目について、もう少し詳しく見ていきます。
ジャンルと対象読者の違い
Kindleはビジネス書・実用書・小説・写真集など全ジャンルに対応しており、設定次第で海外の読者にも届けることができます。
クロスフォリオ出版は、Xfolioというプラットフォームの性質上、漫画・同人誌・イラスト集といったクリエイター系のジャンルが前面に出ています。ただし前述のとおり、実際にはビジネス書など幅広いジャンルを扱っています。サイトの見た目だけで「自分のジャンルは無理かも」と判断するのはもったいないので、気になる方は問い合わせてみることをおすすめします。
出版手順の違い(セルフ vs 代行)
Kindleはすべてセルフサービスです。原稿のEPUB化・表紙作成・価格設定・KDPへの登録まで、全工程を自分で行います。最初は手間と時間がかかりますが、一度流れを覚えてしまえば2冊目以降はスムーズに進められます。
クロスフォリオ出版は完全代行型です。原稿を提供するだけで、電子書籍化から各書店への配信手続きまでをすべて任せることができます。PC作業が苦手な方や、出版の事務作業に時間をかけたくない方には魅力的な選択肢です。

コストとロイヤリティ
両サービスとも、出版自体にかかる費用は無料です。
ロイヤリティはKindleが最大70%、クロスフォリオ出版が最大80%となっています。数字だけ見るとクロスフォリオ出版が有利ですが、Kindleの70%には条件があります。対象となる価格帯(日本円で250円〜1,250円前後)に設定する必要があり、範囲外の場合は35%になります。価格設定の際は、ロイヤリティ率の条件も合わせて確認しておきましょう。

配信スピードの差(見落としがちな重要ポイント)
この項目は、特にKindleで新着ランキングを狙いたい方にとって大きなポイントです。
Kindleは登録から最大72時間、つまり数日以内に配信が始まります。出版のタイミングをコントロールしやすく、新着ランキングへの掲載を戦略的に狙うことができます。私がこれまで15冊中14冊で新着1位を獲得できた背景には、このスピードと、KDPのキャンペーン機能をうまく活用できたことが大きく関係しています。
一方、クロスフォリオ出版は配信開始まで最大2ヶ月かかります。代行サービスである以上ある程度の時間は必要ですが、新着ランキングを意識した出版戦略には向いていません。じっくり配信先を広げたい方や、ランキングよりも多書店への露出を重視する方に適したサービスといえます。
こんな人にはKindleがおすすめ
結論からいうと、個人出版で収益化を目指すなら、まずKindleから始めることをおすすめします。 私自身、3年半で15冊をKDPで出版し、そのうち14冊で新着1位を獲得してきた経験から、そう感じています。

Kindleをおすすめしたい人
ビジネス書・実用書・ライフスタイル系など、幅広いジャンルで出版したい人
Amazonのキャンペーンや Kindle Unlimited(KU)を使って集客・認知拡大を狙いたい人
将来的に量産し、継続的な印税収入を積み上げていきたい人
出版の全工程を自分でマスターして、スピードと再現性を手に入れたい人
いずれはグローバル市場も視野に入れたい人
私の体験談――50代から始めて、3年半で15冊
私がKindleで最初の1冊を出版したのは50代のときです。当時はEPUB化も表紙作成もすべてが手探りで、1冊目の完成までに4ヶ月かかりました。2冊目で2ヶ月、3冊目で1ヶ月……と少しずつ短縮されていきましたが、それでも最初のころは「本当にできるのだろうか」と何度も感じました。
転機になったのは、ChatGPTなどのAIツールを取り入れたことです。ネタ出しから文章構成、本文作成までをAI×テンプレートの仕組みに乗せることで、3冊目以降は制作効率が大きく上がりました。現在は文章本文だけなら3日前後で仕上がることも多く、慣れれば最短2〜3週間でのスピード出版も十分可能です。表紙は2冊目からCanvaで自作しており、外注コストもかかっていません。
途中、個人的な事情で約10ヶ月出版が止まった時期もありましたが、再開してからも同じ仕組みで着実に冊数を重ねることができました。仕組み化の強みは、ブランクがあっても再現できるところにあると実感しています。
KDPを続けている理由――キャンペーンとKUという武器
私が現在もKDP一本で出版を続けている最大の理由は、KDPセレクト(90日間の独占販売)に登録することで使えるキャンペーン機能とKindle Unlimited(KU)です。
KDPセレクトに登録すると、無料キャンペーンや特別セールを活用して一時的に露出を大幅に増やすことができます。新着ランキング1位を14冊で達成できたのも、このキャンペーンを出版直後のタイミングで戦略的に使えたからこそです。KUに登録されることでページ数に応じた読み取り印税も入り、通常販売と合わせた収益の積み上げが可能になります。
ただし、Kindle出版で大きな印税収入を狙うためには、XなどのSNSで発信力がある方にとっては拡散との相乗効果が期待できます。一方で、SNSを積極的に活用していない50代の方にとっては、印税そのものよりも自己ビジネスのブランディングツールとしてKindle出版を活用するという視点が現実的で有効です。
「本を出している著者」という肩書きは、信頼性と専門性を一気に高めてくれます。コンサルティング・講座・コーチングなど、自分のサービスや専門知識を持っている方であれば、Kindle出版をその入口として使うビジネス展開が長期的に見て安定した収益につながります。SNSの発信力がなくても、本という資産がブランドを静かに、しかし確実に育ててくれるのです。
まだ15冊という段階では、KDPセレクトの独占販売条件(他プラットフォームへの同時配信ができない)を外してクロスフォリオ出版などと併用する選択肢もあります。しかし現時点では、Amazonの集客力とキャンペーンの効果を最大限使える環境を手放すメリットがないというのが正直なところです。
KDPの規約変更には注意が必要
ただし、KDPを使い続けるうえで一つ知っておいてほしいことがあります。2025年ごろからKDPの規約が事前告知なしに変更されるケースが増えています。
たとえば、1日に2冊以上の出版ができなくなったこと、本文内へのメルマガ登録フォームの設置が禁止事項に追加されたことなどです。後者については、多くの著者が気づかないままレビュー制限を受けるという事態が起きており、私自身もその一人でした。
だからこそ、「KDP一択」と思考停止せず、他のプラットフォームの情報も常にアップデートしておくことが大切です。いざというときに移行先の知識があれば、慌てずに対応できます。この記事でクロスフォリオ出版を取り上げているのも、そういった備えの一つとして知っておいてほしいからです。
50代からでも遅くない!AIとテンプレートで電子書籍を量産する仕組み化の方法についてはコチラが参考になります。

こんな人にはクロスフォリオ出版がおすすめ
Kindleが「自分で全工程を管理するセルフ型」であるのに対し、クロスフォリオ出版は「原稿さえあれば出版できる代行型」です。目指すゴールやライフスタイルによっては、こちらのほうが合っている方も多いはずです。

クロスフォリオ出版をおすすめしたい人
- 漫画・同人誌・イラスト集など、ビジュアル系のコンテンツを出版したいクリエイター
- Xfolioですでにポートフォリオを公開・活動しているクリエイター
- PC操作が苦手で、EPUB化や表紙作成などの技術的な作業を自分でやる自信がない人
- 出版の事務作業に時間をかけず、創作に集中したい人
- Amazonだけでなく、国内の多くの電子書店に幅広く配信したい人
- ビジネス書や実用書でも、まず原稿を書くことに集中したい人
代行サービスならではの安心感
クロスフォリオ出版の最大の魅力は、原稿を渡すだけで電子書籍化から配信まですべてを任せられる点です。
Kindleのセルフ出版では、原稿のEPUB変換・表紙画像の準備・KDPへのアップロード・価格設定・配信設定など、多くの工程を自分でこなす必要があります。私自身、最初の1冊に4ヶ月かかったのはまさにこの工程を一から習得したからです。
クロスフォリオ出版ではそうした技術的なハードルがなく、書くことだけに集中できる環境が整っています。PC操作に不慣れな方や、出版の仕組みよりもコンテンツの中身にエネルギーを注ぎたい方には、大きなメリットといえます。
国内130書店以上への一括配信という強み
Kindleの配信先はAmazonのみです(KDPセレクト登録の場合)。一方、クロスフォリオ出版はBookLiveをはじめ、honto・コミックシーモアなど国内130書店以上に一括配信されます。
「Amazonは使わないけど電子書籍は読む」という読者層に届けられるのは、クロスフォリオ出版ならではの強みです。特定のプラットフォームに依存せず、幅広い読者接点を持てるという点で、配信先の分散という観点からも価値があります。
デメリットも把握しておこう
クロスフォリオ出版を選ぶうえで、あらかじめ知っておきたいデメリットもあります。
最も大きいのは配信開始までに最大2ヶ月かかるという点です。代行サービスである以上、制作・確認・各書店への登録に時間がかかるのはやむを得ません。しかしこれは、出版タイミングをコントロールしにくいということでもあります。新着ランキングを狙うような出版戦略には向いていません。
また、Kindleのような無料キャンペーンや期間限定セールといった集客施策が使えない点も、収益化を急ぎたい方にとっては物足りなく感じるかもしれません。
「ジャンルがわからない」と感じたら問い合わせを
先述のとおり、クロスフォリオ出版のサイトはビジュアル系コンテンツの印象が強く、「ビジネス書は扱っていないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし実際には幅広いジャンルに対応しています。
自分のジャンルが対象かどうか迷ったら、まず公式に問い合わせてみることをおすすめします。 ネット上の見た目だけで判断するより、直接確認するのが一番確実です。
両方使うという選択肢
Kindleとクロスフォリオ出版、どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。状況によっては、両方を使い分けるという戦略も十分に考えられます。

KDPセレクトの「独占販売条件」を理解しておこう
ただし、両方を併用するには一つ重要な前提条件があります。それがKDPセレクト(90日間の独占販売)の縛りです。
KDPセレクトに登録している作品は、Kindle以外のプラットフォームへの同時配信ができません。無料キャンペーンやKindle Unlimited(KU)の恩恵を受けられる代わりに、Amazon以外への配信を90日間制限されるという条件です。
つまり、KDPセレクトに登録していない作品であれば、Kindleとクロスフォリオ出版を同時に使うことが可能です。この点を理解したうえで、作品ごとに戦略を使い分けることができます。
併用が現実的なケース
ケース① 冊数が増えてきたタイミングで配信先を広げる
KDPセレクトの登録は90日単位で更新します。更新のタイミングでセレクトを外し、クロスフォリオ出版にも登録することで、Amazonに加えて国内130書店以上への配信が可能になります。「まずKindleで実績を作り、ある程度冊数が増えたら配信先を広げる」という段階的な戦略です。
ケース② ジャンルで使い分ける
ビジネス書・実用書はKindleでキャンペーンを活用しながら集客し、漫画・イラスト集・同人系のコンテンツはクロスフォリオ出版で国内書店に幅広く配信する、という使い分けも考えられます。コンテンツの性質に合わせてプラットフォームを選ぶ発想です。
ケース③ リスク分散として押さえておく
前述のとおり、KDPは規約が事前告知なしに変更されることがあります。実際に私も、メルマガフォームの禁止やレビュー制限という形でその影響を受けました。今すぐ移行する必要がなくても、クロスフォリオ出版の登録方法や手順を把握しておくだけで、いざというときの選択肢が広がります。
プラットフォームに依存しすぎないために、常に複数の選択肢を知っておくこと。これはKindleに限らず、コンテンツビジネス全般に共通する大切な考え方だと思っています。
私が今もKDP中心である理由と、これからの視点
現時点では、私はKDPセレクトを活用しながらKindle一本で出版を続けています。キャンペーンによる新着ランキング獲得、KUによる読み取り印税、Amazonの集客力——これらを手放してまで他プラットフォームに分散するメリットが、15冊という現段階ではまだ薄いと感じているからです。
しかし、出版冊数が増え、KDPの規約変更リスクが高まるなかで、クロスフォリオ出版のような選択肢を知っておくことの価値は確実に上がっています。 情報収集を怠らず、変化に柔軟に対応できる準備をしておくこと。それが長くコンテンツビジネスを続けていくうえで、もっとも大切なことの一つだと実感しています。
まとめ:自分のスタイルで選ぼう
Kindleとクロスフォリオ出版、それぞれの特徴を見てきました。どちらが優れているという話ではなく、自分のライフスタイル・ジャンル・目標に合った選択をすることが大切です。
判断のポイントを整理すると
Kindleが向いている人
- ビジネス書・実用書・小説など幅広いジャンルで出版したい
- Amazonのキャンペーンを使って新着ランキングを狙いたい
- 将来的に量産し、継続的な印税収入を積み上げたい
- 出版の全工程を習得して、スピードと再現性を手に入れたい
- グローバル市場も視野に入れたい
Kindle出版の5ステップ手順についてはこちらが参考になります。

クロスフォリオ出版が向いている人
- 漫画・同人誌・イラスト集などビジュアル系コンテンツを出版したい
- PC作業が苦手で、原稿だけ用意できれば十分という人
- 国内130書店以上に幅広く配信したい
- 創作に集中したい、事務作業を任せたい
- 配信スピードより配信先の広さを重視したい
迷ったときの判断フロー
漫画・同人・イラスト系のコンテンツ
→ クロスフォリオ出版
ビジネス書・実用書・量産を目指す
→ Kindle
PC作業が苦手・原稿だけ用意できる
→ クロスフォリオ出版
Amazon集客・新着ランキングを狙いたい
→ Kindle
将来的に配信先を広げたい・リスク分散したい
→ 両方の併用を検討

「まず始めること」が何より大切
私が50歳でKindle出版を始めたとき、最初から完璧な知識があったわけではありません。1冊目は4ヶ月かかり、手探りの連続でした。それでも出版を続けるうちに仕組みが見えてきて、今では3年半で15冊・14冊新着1位という結果につながっています。
どのプラットフォームを選ぶにしても、一番もったいないのは「どちらにしようか」と迷ったまま動かないことです。まずは自分のライフスタイルとジャンルに合った一歩を踏み出してみてください。
プラットフォームの情報は常にアップデートを
最後にもう一つ。KDPの規約変更に私自身が影響を受けた経験からもわかるように、プラットフォームのルールは予告なく変わることがあります。
Kindleでもクロスフォリオ出版でも、定期的に公式情報を確認する習慣を持つことをおすすめします。そして今は使わなくても、複数のプラットフォームの仕組みを知っておくことが、長くコンテンツビジネスを続けるための大切な備えになります。
情報収集を怠らず、変化に柔軟に対応できる準備をしておく。それが、個人出版で長く安定した収益を得ていくための、もっとも確実な方法だと私は思っています。
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