電子書籍出版は近年とても個人にとって身近になってきました。しかしどこのプラットフォームがいいか迷っている方も多いはず。この記事では出版の初心者が特選KindleとGoogle play Booksの特徴を通して2社比較の場合の判断基準をご紹介します。
まず、両者についてジャンル、出版手順、価格設定とロイヤリティ(←このページ)
販売地域・端末・サブスクモデル、販売プロモーション(←次のページ)
の観点から比較をご覧ください。
Google Play ブックス vs Amazon Kindle
主要なジャンルの違い
まず、どのジャンルで自分が出版をイメージしているか考えましょう。
写真集、ビジネス本、自叙伝、絵本、漫画、学術専門書、漫画・・とジャンルも多いです。
私は、自叙伝の入ったビジネス本を最初に出版しました。
この表からでもわかりますが、ビジネス本が強いのはkindleです。
ジャンル | Google Play ブックス | Kindle (KDP) |
---|---|---|
ビジネス書・実用書 | ◯ 需要あり | ◎ 特に強い |
小説(一般・文芸・ライトノベル) | ◯ 取り扱いあり | ◎ Kindle Unlimitedでも人気 |
漫画・コミック | △ 少なめ | ◎ Kindleでの販売が主流 |
BL(ボーイズラブ)・TL(ティーンズラブ) | ◯ 取り扱いあり | ◎ Kindleでの販売が多い |
アダルト系 | △ 規制が厳しい(Googleのポリシーに準拠) | ◯ 許可されているが、表現規制あり |
写真集 | ◯ Google Play ブックスでも販売可能 | △ KDPは不向き(画像の多い本はEPUBが適さない) |
学術書・専門書 | ◎ 学校向けにも販売 | ◯ 一般向け専門書はあるが、学術書は少なめ |
児童書・絵本 | ◯ 需要あり | ◎ Kindle Unlimitedで読まれやすい |
オーディオブック | ◎ Google Playのオーディオブックで販売可能 | △ KDPではオーディオブック販売不可(Audible経由が必要) |
<Google Play ブックスの特徴>
✔ 学術書・専門書に強い
- Google Playは大学・教育機関向けにも電子書籍を提供しているのが理由。
- PDFのアップロードが可能なので、図や表の多い書籍も扱いやすい。
✔ 写真集・ビジュアルブックに向いている
- PDF形式でアップロードできるのが理由。
- 画像主体の本はKDPよりGoogle Play ブックスの方が向いている。
✔Googleでは オーディオブック販売が可能
- KDPではオーディオブックを直接販売できない(Audible経由のみ)。
Google Play では上記3ジャンルが強く他のジャンルでは取り扱いが不可になる可能性があります。
<Kindle(KDP)の特徴>
- 読者層が幅広く、レビューがつきやすい。
- 長編はKENP収益(開いたページに比例した利益)を得やすい。
Kindleでは、一部を除きほとんどのジャンル(実用書、小説、ビジネス書、漫画、絵本・・)に対応していると言えます。
ただし、PDFなど画像が多いものは不向きと言えます。
またkindleにはオーディオブック販売ができないので、アマゾンでオーディオブックをしたいのであれば、Audible経由で別途の製作が必要となります。
出版手順
Google Play ブックス | Kindle (KDP) | |
---|---|---|
原稿ファイル | EPUB、PDF | EPUB、KPF(Kindle専用)、DOCX |
表紙 | 必須(JPEG、PNG) | 必須(JPEG、TIFF) |
ISBN | 不要(ただし、持っている場合は入力可能) | 不要(KDPが独自のASINを付与) |
※ISBN(International Standard Book Number)は、書籍を識別するための国際標準図書番号です。13桁の数字で構成されており、世界中の書籍を一意に識別する役割を持ちます。
主な違い:
- Google Play ブックスではPDF形式のアップロードも可能ですが、KDPはEPUB、Kindle専用形式(KPF)を推奨。DOCXも対応。
- KDPでは表紙をKindleの表紙作成ツールで作ることができるが、Google Play ブックスにはその機能がないため、自分で調べて準備する必要がある。
- ISBNはどちらも不要ですが、Google PlayではISBNを登録できる。
- Kindleで扱っていたmobiファイルは2025年3月18日で終了となります。
価格設定とロイヤリティ
Google Play ブックス | Kindle (KDP) | |
---|---|---|
価格設定の自由度 | 可能(Googleが価格調整する場合あり) | 2種類のロイヤリティプランによる制限あり |
ロイヤリティ(印税率) | 70%(すべての価格帯) | 70%($2.99~$9.99)←キャンペーンが利用できるKDP登録時はこちら 35%(それ以外) |
無料販売 | 可能 | 不可(最低価格$0.99、Kindle Unlimitedやプロモーションを利用すれば無料可) |
主な違い:
- Google Play ブックスではすべての価格帯で70%のロイヤリティが得られる(Kindleでは$2.99〜$9.99のみ70%)。
- Google PlayはGoogleのアルゴリズムにより価格が自動調整される場合がある。
- Google Playでは無料で書籍を配信可能だが、kindle(KDP)では通常不可(無料キャンペーンなどを利用すれば可能)。